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PSA検査による前立腺がんスクリーニング:システマティックレビュー・メタアナリシス

Prostate cancer screening with prostate-specific antigen (PSA) test: a systematic review and meta-analysis

Ilic D, et al.BMJ, 2018

PSA検診に関する5つのRCT(721,718名)のシステマティックレビュー・メタアナリシスで、全死亡・前立腺がん死亡への効果を評価

対象集団50-74歳の男性721,718名(5つのRCT統合)

主要な知見

PSA検診は前立腺がんの早期発見を増加させるが、全死亡率の改善は認められなかった。前立腺がん特異的死亡率には小さな減少の可能性があるが、過剰診断・過剰治療のリスクが大きく、検診のベネフィットとハームのバランスは不確実である。

研究結果の概要

Prostate cancer screening with prostate-specific antigen (PSA) test: a systematic review and meta-analysis の研究結果

エビデンスの限界

統合した5つの試験はデザインや検診間隔・対象年齢がばらつき(異質性)、結果の解釈に幅が出る。全死亡という厳しい物差しでは差が出にくく、前立腺がん死の減少を否定するものではない。欧米中心のデータで、前立腺がんが比較的少ない日本人への外挿には注意が必要である。

読者の方へ

上のグラフは、PSA検診が「前立腺がんによる死亡」と「あらゆる死因を合わせた全死亡」をどれだけ減らすかを、複数の試験をまとめて評価した結果です。検診の本当の値打ちを最も高い信頼度で見極めようとした分析です。 この研究は72万人以上・5つの大規模ランダム化試験を統合した、いわば「研究の総まとめ」です。一つの試験より格段に信頼度が高く、PSA検診の是非を語るうえで欠かせない一本になっています。 結果を数字で言うと、検診で前立腺がんの発見は増えるものの、全体的な死亡率(全死亡)は改善しませんでした。前立腺がんによる死亡にはわずかな減少の可能性がありますが、その効果は控えめで、確実とまでは言い切れない範囲でした。 なぜこうなるかというと、検診は「見つけても命に関わらなかったかもしれないがん」まで拾い上げる過剰診断という弱点を抱えているからです。発見が増えても、それが必ずしも救命に直結しないのです。一方で不要な生検や治療は、尿失禁や勃起障害という副作用(ハーム)を生みます。 あなたの場合は、「検診で見つかること」と「治療が必要なこと」は別物だと理解しておくと、PSAの結果に過度に振り回されずに済みます。受けるなら利益と害の両方を納得したうえで、というのが世界の標準的な考え方です。 限界と次の一歩です。統合された試験は方法にばらつきがあり、欧米中心のデータでもあります。受けるか迷うときは、多くのガイドラインが一律検診ではなく「リスクに応じた個別判断」をすすめている点を踏まえ、自分の年齢・家族歴を主治医に伝えて一緒に決めましょう。

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