小児近視抑制介入のCochraneライビング系統的レビュー+ネットワークメタ解析
Interventions for myopia control in children: a living systematic review and network meta-analysis
Lawrenson JG, et al. — Cochrane Database Syst Rev, 2023
64 RCT・11,617人の児童(4-18歳)で全介入の効果サイズをネットワーク比較
主要な知見
1年屈折抑制効果(vs control)はHDA+0.90D、MDA+0.65D、LDA+0.38D、PPSL+0.51D、MFSCL+0.26D、多焦点メガネ+0.14D。眼軸長抑制(1年)はOrtho-K-0.19mm、HDA-0.33mm、MDA-0.28mm、LDA-0.13mm、MFSCL-0.11mm。RGP・7-メチルキサンチン・未矯正単焦点は無効。
研究結果の概要

エビデンスの限界
ネットワーク接続が疎で多くの推定値が直接比較より精度が低い。試験のフォローアップは多くが1-3年で、超長期効果と治療中止後リバウンドは情報不足。
読者の方へ
Cochraneのライビング系統的レビューは、世界中の64 RCT・11,617人を統合した最高水準のエビデンスです。すべての近視抑制介入を「同じ尺度」で比較し、効果サイズのランキングを示しました。 1年の屈折抑制効果の順位(プラセボ比のMD)は高濃度アトロピン(HDA)+0.90D > 中濃度アトロピン(MDA)+0.65D > PPSL(DIMS等)+0.51D > 低濃度アトロピン(LDA)+0.38D > 多焦点ソフトコンタクト(MFSCL)+0.26D > 多焦点メガネ+0.14D。 眼軸長(2年)はOrtho-K -0.28mm、HDA -0.47mm、MDA -0.33mm、LDA -0.16mmと、Ortho-Kとアトロピンが上位。 興味深い発見は「未矯正単焦点(目を悪いまま使う)」と「リジッドガスパーミアブル(RGP通常)」と「7-メチルキサンチン」が有意な抑制効果を示さなかったこと——民間療法的アプローチには注意が必要です。 あなたが眼科で複数の選択肢を提示された時、このCochrane NMAランキングを念頭に置くと判断しやすくなります。「DIMSメガネとアトロピン、どちらが効くか」と聞かれたら、屈折ベースではアトロピン(高濃度)>DIMS>アトロピン(低濃度)、眼軸長ベースではOrtho-K≈アトロピン(中濃度)>DIMS。 限界として、ネットワーク接続が疎で多くの推定値は信頼区間が広めです。また治療中止後のリバウンド情報は不完全で、「長期で本当に強度近視を予防できるか」はまだ研究中です。
