健診の「貧血なし」が見ているもの
健診で調べるのは主にヘモグロビン——つまり「今、血液が薄いかどうか」です。しかし鉄は、血液より先にまず貯蔵庫(フェリチン)から減っていきます。貯蔵鉄が空になりかけていても、ヘモグロビンはまだ正常——この段階が「かくれ鉄欠乏(貧血のない鉄欠乏)」です。
日本人女性のデータでは、貯蔵鉄が欠乏している人は33.4%と報告されており、貧血と診断される人(8.5%)の約4倍います。健診で「異常なし」とされた中に、鉄不足によるだるさを抱えた人がかなり含まれている計算になります。
脚のむずむずは重要なヒントです
夜、じっとしていると脚がむずむず・ぞわぞわして動かしたくなる症状(レストレスレッグズ症候群)は、脳内の鉄不足と関連すると考えられており、貯蔵鉄の低下で悪化します。だるさ+夜の脚のむずむずの組み合わせは、フェリチンを測る十分な理由になります。
どうすればいいか
- 内科などで「フェリチンを測ってほしい」と伝える(健診項目に含まれないことが多く、指定しないと測られません)
- 月経のある方は、経血量が多くないか(過多月経)も一緒に相談する——鉄欠乏の最大の原因のひとつだからです
- 自己判断での鉄サプリ大量摂取は非推奨。過剰症のリスクがあり、原因(出血源など)の確認が先です
フェリチンの読み方(基準値のばらつき・炎症があるときの注意)や、鉄剤治療をどのくらい続けるべきかは、下のピラー記事で詳しく解説しています。